寸法をうかがって、ムク板の背板にして欲しいとの注文で作った棚です。材はナラ、塗装は亜麻仁油を２回かけてその後にワックスで磨きました。棚板は帆立・甲板同様に３０ミリの２枚接ぎで簡単に作ろうと思っていたのですがちょっと重過ぎるので框組みに変えました。並べても、別々にも使えて結構役に立つのではないでしょうか。

　設計屋さんからの依頼で作った棚で、材はタモです。このあと甲板の上に石の板が乗って出来上がりだそうです。カラーボックスのようにシンプルに作ってくれとのお話でしたが３０ミリのムク板では反りも動きもありますから先を考えると多少は手を掛けておかなくてはなりません。背板がない分フレーム自体に強度を持たせなくてはまずいですし、それに縦・横、目がうまく通ってないと長い板を使った甲斐がありませんものね。アイディア次第で使い易い家具だと思います。

　塗料は指定があってオスモのウッドワックスというのを初めて使ってみました。化粧品のファンデーションのようなもので生地の荒れた部分を見事に押さえ込んでくれるのには感心しましたが、しかしその分木材への油の浸透度は浅いのでムク材の良さを生かす立体感には少々欠けるあっさりした印象の仕上げになっています。まあこういうのが今の人の好みには合っているのかもしれませんね。