子供用の二段ベッドです。参照した通販のカタログにあったものはパイン材でしたが長く使えるものが良いのでナラ材で頼むとの注文をいただいて作ることになりました。この材は輸入物のナラＦ１/２という等級のものですが今回のロットでは幅の広いものはホワイトオークが多くなっているようで、このベッドのサイドの幕板などは一枚の板を半分に割ったものを左右に使っています。この木はしっかりしていて見た目もきれいでいいのでお客さんに喜んでいただけると思うのですが加工する立場からすると硬くて独特の癖があるので刃物で仕上げるのにはかなり手がかかります。英国などで古くからウィスキーの樽などに使用されていた材ですから十分に丈夫ですが、同業者の方なら理解してくださると思いますが所謂「目掘れ」に要注意なのです。３種類の異なったカンナを順に使ってパーツ全てに仕上げをかけるだけでほぼ丸一日かかりました。

　塗装は無着色で亜麻仁油とリボスのクリアーを使っています。困ったのは階段を引っ掛ける金具で寸法のちょうどいいのがなかなか見つからなかったので仕方なく市販のアルミ製の壁掛けフックを金やすりで削って調整したものを溝にはめました。格段に広さの違った板を使ったのは上り下りし易いようにということもありますが階段として使わなくなったらどこか壁にでも掛けて小物置くらいにはならないかなと期待してのことです。

　大きなものですのでフック金具で組み立てる方式を取りました。脇の手摺りも取り外し可能です。底にはベニヤを使わないで欲しいとのご要望でしたので桐で板スノコを作りました。２２ミリの厚みがありますから大人が乗っても丈夫です。将来はマットレスを入れるつもりだということですので、その際にはスノコが乗っている桟の位置を下げればマットレスの厚み分くらいの高さの調整が出来ます。ヘッドボードに付いている箱はおまけみたいなものでこれも桐で作ったのですが簡単に取り外せて別使いにも出来ます。こういうものがあると子供は喜びそうですよね。