新築した農家のお宅の土間に置くものとして市内の設計士さんの依頼で作ることになったテーブルです。三世帯住宅の二棟を繋ぐ広く天井の高い廊下がサンテラスと土間とに割り当てられていて、このスペースはご近所の方々も靴のまま入れてゆっくりできるようにとのお施主さんのアイディアに設計士さんが工夫を凝らし、なるほど面白い作りになっていました。たたきがそのまま椅子がわりとなる昔の縁側のユーティリティーを光をうまく取り入れて現代の建築に上手くマッチさせてあります。

　今までお使いになっていた丸テーブルでは端に位置した人が飲み物等が取りにくそうだったとの奥さんからの提言でこのテーブルは楕円となりました。上で事務仕事もすることがあるから硬い木がいいということで材はナラに。汚れがちなタイル敷きの土間は水はけがいいようにと若干勾配をかけるという工夫もされていて、これに応じてこちらも木部が直接タイルにあたると砂をかんでタイルを傷める心配もありますし水を吸えば木も痛みが早まることから脚の底に4点プラスティックのアジャスターを取り付けました。また、幕板が四方回らない構造ですので錆が出やすい金気の甲板止めは使えませんので甲板そり止めはスライドして４点固定する蟻ホゾで、貫はちょっとしたたしゃれっ気のつもりもあって閂にしてあります。塗装はリボスのアルドボスです。