二人の娘さんが大きくなって家を離れた時にはご自分の趣味である洋服作りの作業台にも使いやすいようにとのご要望で作ることになったデスク、同じものを2台です。立ち仕事に楽なようにと高さは75cm、また3方向から椅子が入るようにと足元に強度確保のための貫をなくした構造になっていますので正面から見るとダイニング用にも見えます。キャスターの付いた抽斗箱も自由に動かすのに有利です。材はナラ、引き手はメープルを丸く削りました。角は全て大きめに丸めてあります。塗装は桐油を下地に亜麻仁油に砥の粉を混ぜたものでの磨き。

 お子さんたちの描いた絵をそのまま仕舞いたいのでということで引出しは大きなものが一杯。仕切りを立てて引出しの数を増やすよりも加工は楽ですがこれだけ間口が広いと引き出し下の桟の反りや動きが気になります。材をぬか目の柾にして同じ厚みのものを直交させて先側の幕板と連結させたというのが今回の対策です。またこのような奥行きに対して幅の大きな引出しは出し入れの際によくつっかえるのでついでにその板にレールをつけてスムーズに動く工夫をしています。引出しの下部に付けたガイドは引き出しの底の補強、それに前板の反り止め・広がり止めの機能も兼ねています。

 下のは以前から春までにと机の注文をいただいていた方のもので上の写真を見てくださって、これがよさそうだと作ることになったものです。もう少し角を大きめに丸く面取りしてくれとのご指摘がありましたのでそうしたのですがこの写真だとちょっと判りづらいですね。