ご新築のお宅のダイニング・勉強机兼用のテーブルです。抽斗がついているのはそのためでご両親とお子さんたちで各自が一杯づつ管理するようにしたいとのご希望でした。膝上が窮屈にならないように高さは6センチ内寸は56ミリほどです。甲板厚は30ミリ、長さは2100と少し大きめでこれに添えるベンチも同じ横幅なのは四姉妹横に並んで腰掛けたいとお子さんたちの側からリクエストがあったからだそうです。ベンチが付くとなるとベンチは一人掛けのように軽くは引けませんからテーブルの脚は中に寄せた方が利があります。このテーブルのレイアウトはお父さんの苦心がいろいろ込められています。

 引出しが付くので甲板を支える本体の作りが少し変則になります。反り・垂れを防ぎながら甲板をどのように取り付けるかいろいろ考えた挙句一番合理的であろうと判断してジョイントビスによる固定法を取りました。板の動きに対応できるように裏面にはビスの太さ分幅で10ミリくらいのスパンで溝を掘ってあります。ただこのやり方だとあまりきつくビスをもむと板の動きを押さえ込んでしまい板に過度の負担がかかることになってしまうので定期的に緩みを確認していただかなくてはならないのですが大きな故障の起こる率は軽減できます。

 甲板下支え木は3枚の板を重ねて接いで93×80角、足元の下駄は同じく105×100、脚は4枚の板の接ぎ合わせで90×90の中空。木取りの段階では少し太くしすぎたかも知れないと心配していたのですが出来上がりを見ると上手くバランス取れていると思います。無着色オイル仕上げですが目止めに砥粉を使っているのでいつもより木目がくっきりでています。甲板トップに妙に艶が出ているのはこの部分だけ最終仕上げにリボスのクノスを使っているからです。破水性の強化を期待してです。