ヒノキ柾目材を使った玄関用の引き戸2枚、サイズは８４０×１９２８×３６。５ミリの曇りガラスが嵌ります。ガラスは中央の仕切りを挟んで２枚づつ上からの落とし込みで入ります。ガラスの固定にはその他押し縁を回したり当て桟で固定したりとありますがビスや釘は目に映りますのでこの方がすっきりとできます。内周のみ3ミリの切り面を取りますので腰押しも3ミリ。あとは小さな坊主面で面取りしてその角の部分だけ指当たりのいいようにペーパーがけしてあとの平面は鉋仕上げのみで上がりです。仮組の時に大方掃っておきますが接着剤が入ると目違いはどうしてもまた出てきます。普段扱う硬木と違って軟材は横擦りに敏感ですから結構刃物には神経使います。

　ガラスの通るスペースを確保しておかないといけませんので上桟はホゾ付け等の加工の後一度二枚に割りガラスの厚み＋0.5ミリ分内側を削ります。鴨居の建具溝に入るホゾがガラス入り口とがかち合うため欠けてしまいますので中央に一点広がり止め兼用でつけものを当てています。

　下は組み立てのときの様子です。９本入る縦格子は中央のみ3０ミリ厚、他は1２ミリを裏表合わせます。これも一本を加工後2枚に割れると楽なんですけど今回は曇りガラスが入るので裏表の目合わせもあまり意味ありませんしなかなか目通りのいい材を探すのも大変なので見た感じの合うもの同士を選んであわせました。横桟との相ガキもこれは外気の当たる場所でお使いになるものですので溝はカッターでつきっぱなしではなくトリマーで底の平面をきちんと出して接着性を高めるようにしています。