これは自分の使っている古い和家具のフレームをコピーしたもので工場用にと作った箪笥です。工場を立ち上げるのにいろいろ出費がかさんでしまい余裕がないので極力材を抑えて見栄えのいいものが出来ないかと考えたものです。構造部は２４�o、羽目板・抽斗は12�oのナラ材を使い、強度を出すのにいろいろ工夫しています。古い家具をバラしてみると古人の細かい工夫の跡が見えてきて面白いですし勉強になります。塗装は柿渋を下地にしましたが終わりにはオイルで磨きました。材は硬いコナラですから柿渋もあまり深くは染込まなかったとみえて赤黒くはなりませんでした。

　使い始めて一年後くらいの乾燥した時期に引きだし前板がえぐれるように反り返っているのに気付いた時には「あれこれはとんでもない欠陥品を作ってしまった」と落胆しましたがいつのまにか元に戻り、以降変化はありません。木って不思議ですよ。