旅行中に先にネルドリップ台をお送りした札幌のカフェ「ランバン」さんに寄らせていただいたところ「いつでもいいからこういうもの作ってよ」と頼まれた業務用のコーヒーミルに粉が飛ばないよう囲う枠です。お客さんからは見えない場所で使うので今現在はダンボールで自作されたものをお使いなのですがいつか木で作ったものに変えたいと考えておられたそうです。急遽現場で採寸して製作前にはスケッチを書き数字とデザインの確認をお願いしました。

 材は9ミリのナラ、右側のものの底板と前板は差し込み都合で8ミリの厚さです。器械に合わせる構造上板同士を繋ぐことができずブラブラの部分があり、また薄板はイモで接いでいますので木口を強固に目止めして板の湿気の吸い込みを押さえ込むため塗装は漆を使いました。店のシックな色調にも合うと思いますので。といっても実用本位で安価な下地用のものを薄めて二度かけただけですから費用はさほどかかりません。そもそもきれいに仕上げるテクニックもないですし。

 コーヒー好きな方ならきっと何度も脚を運びたくなるようないいお店だと感じました。HPもありますから検索してみてください。仕事に対する真摯さが伝わってくると思います。ページでは簡潔な文章ですがご店主は面白い人です。どうぞお出掛け下さい。

 上のものお送りしたところ大きな方は機器のカバーではなく手前に置いて袋詰め作業の折に粉末が外に飛ばないようにするためのものだということでそうすると底がないとあまり意味がありません。現場も見ているはずなのにひどい勘違いです。品物を送り返していただいて手直しに底を当てたのが下の写真になります。

 個人的には直せば済むものは直せば良いと割り切れるのですが先様に余計なご負担をおかけしたことは消えませんから何か失礼のない形でお詫びできればと考えています。