昨年テーブルセットを収めさせていただいた方から二人目のお子さんが生まれたので追加したいとご要望があり作ることになったベンチです。座板と脚は42ミリ厚のクリ、一枚板の並び材です。貫はナラ、込み栓はケンポです。貫の形状のパターンはいくつかありますがこのサイズ・板厚でしたら強度という点ではあまり気にすることもないと思います。それでまあ子供用ならちょっとした物を置くくらい役に立つのではないかと考え120幅の板を横に寝かせて配置しました。座板と脚は各三本の蟻ホゾで指してあります。体の当たるところは角を流して削りを入れました。この木は一応人口乾燥も入れていますが将来緩みが出ても接着剤は入れていないのでメンテナンスは楽に出来ます。

　メインでお使いになるのがお子さんならあまり大きくする意味もないので座板幅は３００。安定のため脚の幅は３２０です。比較的軽いですしエッジ両端裏には手掛けを掘り込みましたので持ち運びにも融通が利くと思います。塗装はいつもと同じです。

　クリのデメリットは比較的傷になりやすいところです。しかし適切な厚みさえあればタワミが出るほどではありませんしその柔らかさのおかげで冬に敷物を必要とするほど冷えたりしませんから家庭用のものの座板にはいい選択ではないかと思います。

　また灰汁は強い木ですから水気には注意したほうが無難です。濡れても早めに拭取れば別に問題はないのですが水分が長く放置されると表面に灰汁が引き寄せられてシミとして残ることがあります。もし例えばテーブルトップとかにお使いでしたらオイルフィニッシュでは弱いのでラッカーや漆などの塗膜を作る塗装法選んだ方が黒ずみは避けられると思います。