お客様用の玄関口に置かれる靴置きをと頼まれたものです。材はナラ、背板にはメジロカバを使いました。大まかに寸法をお聞きしてシンプルですっきりしたものをとのご要望をもとに図面・見積りを書きその後の打合わせで背板を付けること、棚板は少し勾配をかけて滑り止めを付ける今回のような形に決まりました。

　水気の心配もありますから履物の乗る部分だけは何かラッカーのようなものをかけましょうかとご提案させていただいたのですが後で剥げてくる塗装は避けたいとのことから全面オイル塗装です。時間をとって普段より回数を増やしてこの後ワックスを使う予定です。

　また土間はやはり定期的に水拭きするでしょうから下端にアジャスターを取り付けて本体は浮かしています。

　下は塗装前の様子。 甲板は帆立に４枚蟻ホゾを付けて固定、棚口桟は前後とも９℃勾配をかけて削っています。中間部は１４ミリの薄板です。当初は前後の桟で挟むつもりでいたのですが帆立板との厚みの差から来る、また湿気による収縮の差を見越して少々溝を作る必要がありその溝に何か塵でも落ち込んだら見苦しくなりそうですので裏桟の上に乗せる作りにしました。桟との固定は中央のみですから収縮に無理はないと思います。

　最下段幕板はない方がすっきりしていていいのですが板の暴れ止めに隅木を入れたいので付けさせていただきました。