地元の工務店さんの経由で依頼されたオール杉のテーブルです。甲板になる材はお客さんの持ち込みで以前にはお蕎麦屋さんで使われていたものを2枚に割ってもらったそうです。節はあるものの脂っ気が強くいい材でした。ただし脚がはめ込んであった欠き込みの跡がありその分角が欠けたパートがあるのでその部分は別材で補填して内に向くように接ぎ合わせてほしいとのことでした。脚はこちらが用意した120角を6枚並べて接ぎ合わせたもので幕板反り止めはそれを2枚に割ったものを使いました。上の写真にあるように使われるのは普通のお宅ではなく会社の食堂兼レクチャー室です。配送の際に現場で撮らせていただいたのですが携帯のカメラだとボケボケですね。

　とにかく2900×1200というサイズが難で厚み出しも接ぎ面取りも固定した大きな機械を使うのは早々断念して電気鉋で下ごしらえしてあとは手鉋で加工しました。工場は狭いので2台組み上がると常設の機械類を壁に寄せて歩けるスペースはほぼないですし板をひっくり返すのも一人では無理なので塗装作業は大変でした。

　その塗装にはガラス塗料というのを使っています。乾燥時間が早く塗りやすくこのような軟弱な木もかなり強固に固めるなかなか優れた塗料でした。軟材のテーブルなど考えたこともなかったのですがこれがあれば道が開けるかもしれませんね。