お得意様からの頼まれもので事務所のデスクの上に置く両面使いの書類棚です。寸法の入ったラフスケッチを貰い材はナラであとはお任せとのことでしたが木目方向をどう整えるかちょっと悩みました。収縮のない合板を使用できればただ組み付けて問題ないのですが薄板を多用するため強度を確保しつつ板の伸び縮みをどう逃がすかで板使いが決まりそれが見た目の印象にも影響します。結論は過負荷の少ない背板を横目使いにして分割し両端のホゾを長く取り各中央のホゾはのり付けしないで動きに対応できるようにし、直行する木目の仕切り板にはのり付け固定はせず小穴をついて位置決めしたうえで前後の仕切り同士は木ダボで連結し背板部分ダボの貫通する箇所はダボ径より2mm余裕のある穴あけしてダボに干渉しない余裕を持たせることとしました。

 使用材は主にミズナラです。機械の配線が通る箇所も想定しているので地板にはコード穴を設け地板下の幕板も配線の自由が利くようにしゃくりを入れています。

 下は後日追加で頼まれたブックスタンドです。今度の分は片面のみのノーマルな形で上のものの隣に置かれるのでサイズ・形状は統一されています。