設計事務所さんの材・図面支給の仕事、ショーケースの乗ったキャビネットとそれに沿えるドロアーチェストです。材は裏板を含めてすべて北海道産のシュリザクラでお客さんの注文はとにかく出っ張りがなくプレーンなデザインでということだそうです。実はこれら二つとも今お使いになっている家具の作り直しでケース付きの方は装飾がいろいろ多彩な時代物の輸入品、チェストの方は高さが丁度良かったということで選ばれたベビー調のもので色目もしっくりこないので随分と前からリフォームの時にはと計画されていたそうです。寸法とイメージ図を貰い何度か意見交換を重ねてこのようなものになりました。

　上に板を乗せてしまうとケース内部が暗くなってしまうのでどういう意図か尋ねたところ長く使ううちには上にものを乗せたくもなろうしその時になって丁度合う板が見つかるかわからないから共木で作っておいて欲しいとのことのようです。

　ガラスはすべて5ミリの強化です。室内底は無垢板の地板の上に鏡を仕込んだ枠を載せて取り外しができるようにしてあります。上に乗るガラスを嵌めた蓋の部分はかなり重いので金属製のステーのようなものか下がり止めの駒のようなものを付けることもご提案しましたが開け閉めの作業は頻度が少ないことと見栄えを損なうということから保留ということです。

　戸の抑えはやはりご希望があってマグネットのプッシュラッチです。

　これは設計事務所さんからのご提案だそうですが抽斗の内部に隠し箱を仕込んであります。棚口上の取り外しできるダボがストッパーになってそれを外すと奥の小箱が引き出せるという代物です・